亡国のイージス

wakate2005-05-05

亡国のイージス』(講談社)読破

ハードカバー654ページは読み応えがあった。
自衛隊護衛艦テロ、東京湾封鎖とスケールが大きい。
②展開がおもしろい。次から次へと、山場がやってくる。どんでん返しあり。どちらが味方かわからなくなる場面もある。
海上自衛隊のクルーと幹部との二重構造、日本の国防にあり方について、シーマンシップなど考えさせられるテーマがいくつもあった。そして、ヒューマン。骨太な小説。
④人物描写がうまい。宮津艦長、仙石選任海曹長、如月行など実に魅力的に描かれている。
⑤文章がうまい。 艦船に乗ったことのない自分が、テロに遭った「いそかぜ」の中にいるような気分になる。また文章が短くキレがある。そして、味わいがある。

初任幹部が仙石に向かって「俺は、お前たちより必死で勉強してきた。しかし、お前たちは俺たちのいうことを聞かない。」という件がある。仙石は、艦をまとめるために、人間の機微を学ぶのが幹部の仕事だろうと切り返す。
 
 人間論、組織論としても味わい深い一冊。
 インターネットで映画版、劇画版の宣伝もしている。
 
 私は読んでいる途中で映画版のキャストを知り、そりぞれの人物に当てはめて想像しながら読んだ。真田広之中井貴一、寺尾聡がナイスマッチかどうかは別として、読みやすくなった。

福井晴敏はすごい。
ローレライ』もぜひ読んで見たい。