『あかね雲』読了

泣けた。
人の心を動かすのは、その人の知らないところで、その人のために行う行為だと。
①相州屋の親父さん。京やが永代寺に豆腐を入れることを許した。
②相州屋の奥さんは、京やに、相州屋の家を譲ることを、江戸屋の女将に頼んだ。

1部は真面目に働く、職人さんの立志出世物語。
おふみ、永吉の明るいとともに、相州屋の話と合わせて、おもしろかった。読みやすい。
2部は、永吉の子どもたちの話。ねこかわいがりされた、栄太郎が漬け込まれる。
①一部と二部で、同じ場面を立場を変えて、書くことのおもしろさ。親と子どもで、微妙に違う。
②世間を知らない長男の甘さ。
③息子を猫かわいがりする母親は子どもをだめにする。
③仲のよかった夫婦でも、仕事や育児のことで仲が悪くなる。
④家業を持つ家に嫁ぐ嫁は、覚悟を決める
⑤にくい人でも表面的に冷たいだけ。その人の心の奥底にある優しさに目を向ける。
 おふみが死んだ後のおすその気持ち。

傳蔵は、エンターテイメント。この人物が、大どんでん返しを演出している。
ラスト50ページはエンターテイメントでしょう。

庶民の幸せをこの小説は教えてくれる。
心に残る場面
①永吉がとうふを創って、売るが、売れないシーン。
②相州屋の話。


2002年直木賞受賞。
読みやすい。わかりやすい。時代劇版のホームドラマという感じか。

「夫婦が同じことを考えていたら、多分、兄貴と一緒にとうふをつくり、おまえは、嫁に行っていただろう」
「家族のごたごたと商いの苦労が重なって、どこかすれ違い始めたんだろうけど、今は向こうで仲良くやっていると思う」
「八幡様にお参りしたとき、同じことをお願いできる夫婦でいような」

タイトル「あかね雲」は八幡様にお参りした悟郎がおすみと一緒に見る空の情景。

白夜行」についてコメントしたHPばかりを紹介したHPを発見。

なんと、の「かわさんの日記」も紹介されていました。

【白夜行】の話題クリップ

こうしたつながりができるのも、ブログならではかも。

機械的作業でできるのだろう。