5月29日(日) 『新宿鮫風化水脈』 読破
『新宿鮫』シリーズ第8作。
(大沢在昌 毎日出版 443P)
17年5月29日読了
『新宿鮫』はおもしろい、と聞いていた。
NHKのドラマで舘ひろしがやっいたのを偶然見たことがある。
今回のは、第8編。1999年7月から2000年8月まで毎日新聞夕刊に連載されたとか。
夕刊で読むにはちょっと、と思うが。
組織と個人。警察官の哲学を感じる。
はでさはないが、それでも、精神はえがけるぞ、という感じ。
組織の中では、理想を貫こうとしてもできないことができる。
そのとき、どう生きるか、というテーマがある。
クライマックスラスト30ページは、圧巻。
真壁と雪江、大江老人と雪江の母親が同じ場面に登場する。
「不公平は、現実にある。しかし、不公平を認める事と、不公平だからなにをやっても、ばれなければそれでいいと考えることとは、全く違う。
犯罪を犯して豊かな生活を手に入れ、罰せられることに怯えずに暮らせる社会などあってはならない、と鮫島は考えている。
描写がうまい。言葉を発しなくても、表情の描写で、わからせてしまう。
おもしろかった。
新宿の歴史に関する叙述はちょっとくどいかな。
【アマゾン・書評】
新宿署の刑事・鮫島は出所したての真壁と出会う。かつて真壁が命がけで殺そうと した男・王は藤野組と組む中国マフィアのボスになっていた。2000年毎日新聞社刊 「新宿鮫風化水脈」の改題。
◆刑事ものは 『マークスの山』『リビエラを撃て』など高村薫で随分読んだ。
映画『踊る大捜査線』もゴールデンウイークに見た。